「仕組み化」という言葉は便利ですが、便利すぎて何を指しているのかわからなくなります。
ツールを導入することなのか。人を雇うことなのか。商品を作ることなのか。全部が仕組み化と呼ばれていて、しかもそれぞれ必要な準備も、効果が出るまでの時間も違います。
この記事では、個人・小規模事業者が取りうる仕組み化を3つの型に分けて整理します。どれから手をつけるべきかも書きます。
結論:3つの型と、着手すべき順番
| 型 | やること | 効果が出るまで | 着手順 |
|---|---|---|---|
| ①リスト化 | 見込み客の連絡先を蓄積する | 3〜6ヶ月 | 最初 |
| ②自動化 | 繰り返す作業を機械に任せる | 即日〜1ヶ月 | 2番目 |
| ③商品化 | 労働ではなく商品を売る形にする | 6ヶ月〜 | 最後 |
着手順が「効果が出る速さ」の順ではないことに注意してください。②自動化が一番早く効果が出ますが、最初にやるべきは①リスト化です。理由は後述します。
①リスト化:見込み客の連絡先を持つ
3つの中で最も地味で、最も効きます。
やることは単純で、自分に興味を持った人にメールアドレスやLINEを登録してもらい、その人たちと継続的に接点を持てる状態を作ることです。
なぜこれが最初なのか
労働型の収入が不安定なのは、毎回ゼロから客を探しているからです。案件が終われば、また次を探す。営業して、提案して、選ばれるかどうかを待つ。この繰り返しが消耗の正体です。
リストがあると、この構造が変わります。過去に接点を持った人に「今こういう枠があります」と伝えられる。相手はすでにこちらを知っているので、ゼロから説明する必要がありません。
そして重要なのが、リストは他の2つの土台になるという点です。自動化するにも配信先が要る。商品を作っても売る相手が要る。リストがない状態で②③をやると、作ったものが宙に浮きます。
つまずきやすい点
登録者数を増やすこと自体が目的になりがちです。豪華なプレゼントで釣れば数は増えますが、集まるのはプレゼント目当ての人です。その後何を送っても反応しません。
数十人でいいので、本当に困っている人が集まる入口にしたほうが、後の展開が楽になります。
②自動化:繰り返す作業を機械に任せる
3つの中で最も効果が早く、コストも低い型です。
具体的には、こういうものです。
- 問い合わせに毎回同じ説明をしている → よくある質問ページを作ってURLで返す
- 申込を受けてから手動でメールを送っている → 自動返信にする
- 日程調整のやり取りに何往復もしている → 予約システムを使う
- 入金確認を目視でやっている → 決済と連動させる
私自身、案件でよく聞かれる説明をブログ記事にしたところ、説明時間が明確に減りました。同じことを何度も話している自覚があるなら、それは自動化できる作業です。
なぜ最初ではないのか
効果が早いのに着手順が2番目なのは、自動化は「すでにある作業」を効率化するものだからです。売上そのものは増えません。
月の売上が20万円の人が作業を自動化すると、20万円のまま作業時間だけが減ります。これは価値がありますが、天井は上がりません。天井を上げるのは①と③です。
ただし、自動化で空いた時間を①③に使うという順番なら非常に有効です。実際、多くの人は「時間がなくて仕組み化に手をつけられない」状態にいるので、最初に小さく自動化して時間を作るのは現実的な入り方です。
つまずきやすい点
凝りすぎることです。ツールを組み合わせて完璧な自動化を目指すと、構築だけで何十時間も溶けます。しかも複雑な仕組みほど壊れやすい。
目安として、構築にかかる時間が、それで削減できる時間を1年以内に回収できないなら、やらないほうがいいと考えています。
③商品化:労働ではなく商品を売る
最も効果が大きく、最も時間がかかる型です。
時間を売っている状態から、商品を売る状態に変える。コンサルティングを講座にする、施術をオンラインプログラムにする、制作代行をテンプレート販売にする、といった転換です。
なぜ最後なのか
理由は2つあります。
ひとつは売る相手が必要だからです。商品は作った瞬間には売れません。買う人がすでにいる状態で作るから売れます。だから①が先です。
もうひとつは何を商品にすべきかは、顧客と接触しないとわからないからです。自分が売りたいものと、相手が買いたいものは、たいてい一致しません。リストを持って、その人たちの悩みを聞いてから作ると、この事故を避けられます。
つまずきやすい点
完成させてから売ろうとすることです。作り込んでから世に出すと、外れたときの損失が大きすぎます。
先に案内して、申し込みが入ってから作る形にすれば、外れても損失は謝罪で済みます。実際に売れてから作るほうが、内容も具体的になります。
3つをつなぐと何が起きるか
3つが揃うと、こういう流れができます。
- ブログや広告で人が来る
- 登録フォームで連絡先が残る(①リスト化)
- 登録後、あらかじめ書いたメールが自動で順番に届く(②自動化)
- 関係ができた段階で商品を案内し、決済まで自動で完了する(③商品化)
この流れが動き出すと、自分の作業量と売上が比例しなくなります。10人来ても1,000人来ても、こちらの手間は変わりません。これが労働型から抜けるということの実体です。
より具体的な順番の話は「自分が動かないと止まる収入」から抜ける方法に書いています。この記事が型の分類なら、あちらは実行の手順です。
実現する手段について
3つの型を実現するには、登録フォーム・自動配信・販売ページ・決済が必要になります。個別のサービスを組み合わせても作れますが、連携部分で必ず詰まります。
私が構築代行で扱っているUTAGEは、これらが最初からひとつになっているツールです。個人がひとりで管理するなら、管理場所が1つで済むオールインワン型のほうが現実的だと考えています。
とはいえ、ツールを入れれば仕組みができるわけではありません。①リスト化から順番に組み立てるという設計が先で、ツールはそれを実装する手段にすぎません。ここを逆にすると、高機能なツールを契約したのに何も動いていない、という状態になります。実際そういう相談をよく受けます。
よくある質問
Q. 3つ同時に進めてはいけませんか
時間があるなら①と②の並行は問題ありません。②は小さく始められるので。ただし③を①より先にやるのは避けたほうがいいです。売る相手がいない商品ができあがります。
Q. 人を雇うのは仕組み化ではないのですか
仕組み化のひとつですが、この記事では扱いませんでした。個人・小規模事業者の場合、人を雇うと管理コストが発生し、労働型の構造が「自分の労働」から「管理の労働」に置き換わるだけになりやすいためです。まず機械でできることを機械に任せてからのほうが、順序としては安全です。
Q. どれくらい費用がかかりますか
①リスト化と②自動化は、ツール代の月1万円前後から始められます。③商品化は作るものによります。詳しい試算はUTAGEの料金と損益分岐にまとめました。
まとめ
- 仕組み化には①リスト化②自動化③商品化の3つの型がある
- 効果が早いのは②だが、着手すべき順番は①→②→③
- ①は他の2つの土台。これがないと②③が宙に浮く
- ②は売上を増やさないが、①③に使う時間を作れる
- ③は最も効果が大きいが、①がない状態で作ると売れない
- ツール選びは設計の後。順番が先
仕組みを実際に作ってみたい方へ
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